脳卒中〜家庭でできるリハビリ〜





脳卒中後の食事のリハビリ

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麻痺手でのスプーン・箸の使い方の工夫
スプーンを持つことができても、すくいにくかったり、スプーンや食べ物を落としやすかったりして、時間がかかり苦労することがあるでしょう。
そんなとき、さまざまな用具を工夫することで麻痺手でも食べることが可能になります。

対応可能な自助具の例をご紹介します。

スプーンホルダー・・・握りが難しい場合、掌に固定します。
◎親指で挟むタイプ・・・肘・腕の動きで調整できます。
◎握るタイプ・・・肩・肘の動きで調整できます。

曲がるスプーン・・・曲げやすいスプーンで角度が調整できます。
◎指が縁に引っかかるときは、握り部と段差をつけると食べやすくなります。
◎スプーンの先を手前に曲げてると、口に入れやすくなります。

一体型の箸・・・箸を開くことができないので、箸先がずれて挟みにくい場合に利用しましょう。
◎つまみ・離しが可能な人の場合、ピンセットの要領で!


●食事は食べる喜び・一家団らんなどの楽しみです。訓練だからといってがんばりすぎると、逆に食事が苦痛になってしまいます。
●手の機能、食材に合った食器を選びましょう。柄を太くするだけで食べやすい場合もあります。
●感覚障害や筋緊張が高い場合はスムーズな動きが難しく疲労も強いため、健側手で行った方がよい場合があります。
片手で食べるときの工夫
麻痺のため、片手で食事をするときに食器が持てず、支えや向きの調整をできないために食べこぼしや食器が倒れることがあります。
特に利手でない方(非利き手)を使う場合、スプーンやフォークの扱いが不安定で難しいでしょう。
スプーンやフォークの仕様に食器の縁を利用する場合、食器を固定する用具を工夫することによって、スムーズな食事動作が可能になることもあります。

対応可能な自助具の例をご紹介します。

すくいやすい食器・・・縁に傾きがあるものは、スプーンを使うときにすくいやすいので便利です。

食器を安定させる用具
◎滑り止め防止シート・・・食器を滑りにくくし、縁を使うときのズレを防ぎます。
◎茶碗ホルダー・・・茶碗が傾いた位置で固定され、すくいやすくなります。

患側手を支えにする
◎手または腕を支えにし、食器のズレを防ぎます。
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※緊張が強く、腕が動いてしまう場合は不適応

●麻痺が軽度で食器を持ち上げることは困難でも、テーブル状で支えることが可能な場合は食器の安定につながります。
利き手交換の方法
利き手が麻痺のため、利き手ではない方で食事をするとき、スプーンやフォークを使うようになることがあります。
しかし、いざ箸を使おうとするとうまくいかず、かき込むだけになってしまう場合もあります。
また、はじめから食事の時に練習すると、楽しみのはずの食事の時間が苦痛となったり、口に運ぶことが優先され、握り箸のままとなり、うまくならないなどの弊害が生じることがあります。

まずは、動きを練習からスタートしましょう。

@箸開閉の素振り練習
◎難しいときは1本だけで始める
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◎親指を軸に、人差し指と中指で上の箸を動かす
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A実際に物をはさみ・離す練習
◎スポンジなど、やさしい物から、おはじき・大豆などの難しい物にレベルアップを!

※下の箸を乗せる薬指と小指を安定させる方法
◎薬指・小指に巻いた包帯などを握らせ、テープで留めることで安定を図る
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【道具によるステップアップ方法】
バネ箸→割り箸→塗り箸
◎バネ箸のようなピンセット型の箸は、箸を開くことを補助し、ズレを防ぐ
◎上達の状態に合わせて使う箸を選んでいきましょう。

●練習はやさしい→難しいへステップアップを!道具・食べ物・時間などの選び方を工夫しましょう。
●食材の難易度:「つまみー離し」以外にも「ほぐすーちぎる」などがあります。一口大の食材から始め、麺類、魚ほぐしは実際の食材で練習し、ステップアップしましょう。さらに豆腐などのくずれやすいもの、煮豆やプチトマトなどすべりやすいものへと、順に難易度の高い物へ!
●時間の難易度:@時間を区切る(10分だけ箸で)、A食材を選ぶ(ご飯・一口の野菜だけ箸で)など、スプーンやフォークとの併用から始めることも1つの方法です。
●はさむ練習にお菓子を用いると実際に口に運ぶこともでき、軽くて扱いやすいうえに意欲を高めることにもなります。カロリーや好みの問題がなければ有効でしょう。
食事をするときの姿勢の注意点
姿勢が安定しないと、もともと手のコントロールが安定しないため、食べこぼしが多くなったり、疲れやすくなったりします。
 また、咀しゃくや嚥下のためにも安定した姿勢の確保が大切です。

【椅子の場合の注意点】
 椅子や車椅子に移ることができる場合は、食卓を家族とともに囲むことができます。
 足が接地でき姿勢が安定するようにしましょう。
◎テーブルの高さ、距離の調整をし、足が床に着くように!
◎麻痺手をテーブル状に置くことでも支えになる
◎痛みや食器の設定に支障なければ有効

【麻痺側にくずれやすい場合の注意点】
 バランスが悪くて体幹をまっすぐに保てない場合、麻痺側の腰や背中にバスタオルやクッションをはさみ、支えにします。

【ベッドの場合の注意点】
 体幹の指示性・持久力が低い場合は、背もたれに寄りかかれるように設定します。
◎足を持ち上げ、ずり落ちるのを防ぐ
◎傾きやすいときにはクッションを利用する

●殿部(お尻)が前に滑り落ちないよう、座骨でしっかり体重を支えられる姿勢が理想的です。
●どうしても同じ姿勢が保てないことがあります。食事の途中でも姿勢を直してあげましょう。
●嚥下障害がある人はその人に合わせて背もたれの角度を調整しましょう。
●経腸栄養の場合は逆流を防ぐために、少なくとも30°以上は背中を起こし、食後30分はその姿勢を保ちましょう。
高次脳機能障害がある場合の食事の工夫
高次脳機能障害は多彩であり、食事のにおいても問題を生じる場合があります。
注意障害や発動性低下のために集中できず、なかなか食事が進まなかったり、半側空間無視のため無視側を食べ残したり、また失行のためスプーンがうまく使えない場合もあります。

【時間がかかったり、気が散る場合】
 気が散らないように、静かな環境を整えます。
 時間を区切り、残りは介助で。
◎雑音・テレビ・おしゃべりなどで気が散らないよう、カーテンの利用なども!
◎同じ時間で食べられた量を確認し、励みにする。

【半側空間無視で食べ残す場合】
 無視側に注意が向くように食器の設定を工夫します。
◎無視側にマークをする
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◎すべての食器の位置を確認!見やすい位置に置く
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◎ご飯・好きな物を無視側にする
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◎途中で位置を入れ替える
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●注意障害の場合、超時間になるとなおさら集中が困難になります。30分程度で食べ終えられるよう、介助との併用も必要でしょう。
●同じ時間にどれだけ食べられるか、手伝いや声かけの回数が減らせるかなど、具体的な目標を設けるのも1つの方法です。
●半側空間無視に対しては、目立つ色の食器の活用、見やすい位置への食器の設置が有効なこともあります。
●スプーンの持ち方が一定しないなど、麻痺以外でうまく食べられない場合は、開始に何度か誘導すると、その後、スムーズになることがあります。
手のふるえがある場合の食事のポイント
手がふるえるためにうまくすくえなかったり、食べこぼしが多く、1人で食べることが難しい場合があります。
 食べこぼしが多いと、だらしなく見えたり栄養が不足しないか心配になったりするため、つい介助してしまうことも多いでしょう。
 健側手や介助での食事も一つの手段ですが、道具や手の使い方の工夫により、食べこぼしが少なくなることがあります。

【動かす関節を限定し、安定をはかる】
◎肘をテーブルや身体に密着させて安定させる
◎腕をテーブルの上に置いて安定させる

【食器の安定をはかる】
◎食器ホルダーの利用
◎食器を埋め込むことで安定させる
◎写真はダンボール箱に穴を空けてつくったもの

●手のコントロールを安定させるためには姿勢の安定が大切です。背もたれやクッションを工夫しましょう。
●ふるえがあると箸やフォークは顔を傷つける危険があるので避けたほうがよいでしょう。おにぎりなど、直接口に運べるような食材の工夫も有効です。手首を安定させる装具が有用なことがあります。
●衣服の汚染防止にエプロンの使用もよいでしょう。
●「食べこぼし」がプレッシャーにならないよう、本人と介助者間で「この程度なら」という許容範囲を共有し、介助の併用も考慮に入れるとよいでしょう。
 
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